崇高なる幸福という幻影

前置き

いやはや月曜を終えるたび自分に言い聞かせることがあって、

月曜日を終えたな!一週間これで行けるわ!むしろ終わったわ!

と訳の分からない鼓舞をするんだけれども、

それが結構効くときがあります。

 

訳が分からないけど、根拠のない自信だったり、

変に前向きな言葉で良い意味で自分を騙し込むようなことが出来る。

どーせダメよりどーせ良い方へくらいの気持ち。

上手くいくかどうか半々ではあるんですがね。

 

幸福というものが分からなくなる瞬間

新宿の朝、通勤ラッシュから放たれて、ため息一つ放り投げたときに、

カップルが仲良く手を繋いで歩いていく。

それは意識をしていないように見えて、事実意識をしているから

記憶に焼き付いてしまう。

その時の感情は特に何もないんだけれど、その「途轍もない幸福」が

滲み出てこちらに浸透するような感じがするんです。

 

凄く嫌みったらしい書き方になってしまって恐縮なのですが、

それは別に嫌みも何もない。

実際本当に幸せそうなんですよ。

他者の存在がそこには介在せず、二人だけの空間が広がっています。

そりゃまあこんなに人が居る中でそこまでせんでも良いのでは?というのはあるけど、

それよりも見える幸せっていうのは凄いなあって思います。

 

日本国憲法にも「幸福追求権」なるものが存在し、

適切にそれに沿って幸せを生み出し、享受できるのというのは凄いことです。

カップルを見ると幸せって共有できるものなんだなあって思います。

 

と同時に、悪い癖ながら相対的に自分が幸福ではないのでは?と思ってしまいます。

 

そもそも「幸福」ってなんだ?幸せってどういう状態?

そんな疑問が次々と湧いていってしまい、止まらなくなる時もある。

 

「これ以上を求めるなんておこがましい」と言う人もいる。

今で十分幸せです、と。

 

いやそうなんですよ。文句ないとは思っているけど、

これを幸せって明確に言い切れるかっていうとなんか違うんですよね。

 

幸せじゃない訳でもない。

 

前に誰かから聴いたけど、幸福は分からないけれど、不幸なら分かります。

それなら不幸じゃないことが幸福なのではないか、って。

あれ、誰だったっけ・・・。

 

幸福ってそもそもなんだ? 

 

堂々巡りでぐるぐると回って行くけれども、結局のところ良く分からない。

良く分からないけど、なんだかそれでいい気がしました。

 

全く上手く伝えられないけれど、ステレオタイプの幸福を見てしまうと、

自分はそこにハマっていないといけない気がしてしまうんです。

一種の幸せではあるけれど、そういうタイプの幸せを享受できないことが

そもそも問題である、というような。

 

でも、結局それって幸せの正解を知っているぞ!みたいな

輪廻転生100回しました!みたいな仙人でもない限り、

正解なんて言えやしないと思う。

 

今これが幸せだなあってぼんやり言えればそれでいい気がする。

 

僕は僕で今それなりに幸せな気がしていて、

でもこれ以上がある気がしています。

それは自分の一歩がまだ止まっていないから少しでも進めるんじゃないかという

そういった期待があるからこその上限はまだ先にあると思うんです。

 

ソラニンのような「ゆるい幸せがだらっと続いてしまう」と

確かに人間ダメになってしまうのかもしれません。

その時、自分は前に進めておらず、ズブズブと沼に沈んでいくようなものなのかもしれません。

 

実際、経験したことがあるけれど、本当に何者でもない自分しかいませんでした。

今でさえ自分という薄氷を踏んでいるのに、

そのころは沈んでいたんだからようやく頑張ってここまで来た感慨があります。

 

崇高なる幸福というのは幻影です。

これが幸せである、汝、背くことなかれなんていわれたって、

知らねぇよそんなもん、というような回答で良いんじゃないか。

だって、幸せなんて自分の中に描けるようなものではないんじゃないでしょうか。

 

誰かから言われて正解を常に抱けるような明確な輪郭って無いと思います。

実体がないからこそ、感じられるときのあの幸福感があるんじゃないでしょうか。

幸福がよく分からないのに幸福感なら何となくわかるあの感じです。

 

正解は分からないし、あるかも分からないけれど、

何故か追い続けることだけは正解な気がしてしまいますね。

 

終わりに

自分が今読みたいものってなんだろうって考えたら、こんな感じでした。

手で触れられそうで触れていない。

既に持っているのに、持っていないと感じてしまう。

そういう性質のものが幸福なのかもしれませんね。

 

皆さん普段どんなこと考えて過ごしていますか。

そういった一端を少しでも共有出来たら嬉しいです。

 

それでは。